介護事故とは、介護施設などで介護を通して発生した事故のことです。定義にもよりますが、物理的な事故だけでなく、うつ病などの精神的な被害にも範囲が及びます。代表的な事故としては、ベッドや車いすなどからの転倒・転落事故、飲み込んだものが気管に入り込んでしまう誤嚥事故、本人のものと異なる薬を飲んでしまう誤薬事故、施設内での火災事故などがあります。
事故はいずれも最悪の場合、命にかかわる可能性があり、普段から十分に注意しなければなりません。事故が発生する原因は、事業者側にある場合もあれば利用者側にある場合もあります。事業者側で想定できる理由としては、スタッフの訓練不足や疲労なども考えられます。情報共有がうまくできていなかったり、本来行ってはいけないサービスを提供した場合などに発生する可能性があるようです。
また、利用者側で想定できる原因としては、認知能力や身体能力に制限がかかっているにもかかわらず、無理をして自分で使用した場合などに事故が発生する可能性があります。事故が起きた際は、とにかく利用者の安全確保を第一に動きましょう。必要であれば救急車を手配し、上司などに報告しながら適切な措置をとることで被害を最小限に抑えます。
家族や関係機関への連絡も忘れてはいけません。利用者の家族に対しては、事故の詳細、その後の対応などを誠実に説明し、理解を仰ぎましょう。関係各所への報告としては、その内容に応じて報告先が変わります。例えば感染症なら保健所、重大事故なら警察や自治体などが報告先となる可能性があるため、事前に調べておくと安心でしょう。